阿Q正伝・狂人日記
ワイド版岩波文庫・約 250 ページ
人が人を食うと思い込む男と、何をされても心の中で勝ってしまう農民の話。
妄想する者の目を通すと、社会のごまかしが容赦なく浮かび上がってくる。
古い時代の話に浸りたい夜に。
この本について
辛亥革命の前後の中国。人に食われるという妄想に追われる「おれ」と、貧しい日雇いで馬鹿にされても「精神的勝利法」で意気盛んな阿Q。二人の意識と振る舞いをたどるうちに、社会に染みついた欺瞞が鋭く切り出されていく。魯迅の最初の作品集『吶喊』を全訳した一冊で、読み終えてもその鋭さがしばらく残る。