白鶴亮翅
朝日新聞出版・約 280 ページ
ベルリンで暮らす女性が、隣人の来し方を聞きながら太極拳と翻訳に向き合う話。
歴史や国境への問いと、腕を広げる稽古の日々が、静かに重なり合っていく。
遠い土地のことを考えたくなる夜に。
この本について
ベルリンで一人暮らしをする美砂は、東プロイセン生まれの隣人Mさんから、戦争をはさんだ身の上を聞く。追放や死者の数、国や民族の境目へと、考えはドイツと日本の歴史をたどって広がる。Mさんに誘われた太極拳学校で仲間と技を習い、クライストの短篇の翻訳にも取り組む。名作を女性の目で読み直す視点が、静かに残る。