時の家
講談社・約 140 ページ
一軒の家を青年が描くうち、そこに暮らした三代の住人の記憶がよみがえる小説。
床や柱、タイルといった細部から、人の気配と時間の厚みが静かに立ちのぼる。
古い家の軋む音が聞こえる夜に。
この本について
青年は一軒の家の床や柱、天井、タイル、壁を一つずつ描いていく。目を凝らすほど細部が浮かび、そこで暮らした三代の住人の存在や記憶、感情がよみがえってくる。塗り重ねられた時間の厚みを、モノの側から丁寧にすくい上げる建築の小説だ。読み終えると、自分の部屋の壁にも誰かの時間が積もっている気がしてくる。