二月のつぎに七月が
講談社・約 730 ページ
市場のそばの食堂に毎日同じ時間に来るひとと、賄いをつくる人々を描いた長編。
食べてくれる顔を思って料理する気持ちが、静かな文章でじんわり伝わる。
温かい汁ものを飲んだ夜に。
この本について
青果市場の関係者や近所の人が出入りする「いちば食堂」に、決まった時間にあらわれ、古い文庫本を開いて手帖に書きものをするひとがいる。笛田さんは、賄いをつくる楽しさや、丕出子さんと食べるときの不思議な大らかさを、うまく言葉にできずにいる。居場所を見つけること、老いを受け入れること、戦争の記憶を受け継ぐこと。食卓の空気ごと残る一冊。