春琴抄
新潮文庫
盲目の美しい三味線の師匠と、生涯をかけて仕える弟子。古い伝記をたどる形で二人の関係が語られる。
句読点を抑えた流れるような文章が、献身の物語を妖しく美しく描き出す。
古い音楽を聴く夜に。
この本について
大阪の薬種商の娘・春琴は、九つで失明したのち、三味線の道で才を開かせる。美しく、気位が高く、ときに残酷な彼女に、奉公人の佐助は手を引く役から弟子となり、生涯を捧げて仕える。語り手は、古い伝記と人々の話をたどりながら、二人の関係の謎に迫っていく。献身とは何かを問う、妖しく美しい物語。