東京都同情塔
新潮社・約 140 ページ
寛容論が広まった別の日本で、新しい刑務所の塔をめぐって悩む建築家の話。
耳ざわりのいい言葉と中身のない正義のずれを、軽やかな語りで突いてくる。
言葉の軽さが気になった夜に。
この本について
ザハ案の国立競技場が建ち、犯罪者への寛容が当たり前になったもう一つの日本。そこで新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることになる。建築家の牧名は、犯罪者に寛容になれない自分と仕事との隔たりに悩みつつ、力強く未来を描こうとする。やわらかな言葉が正義を空洞にしていく様子が、笑いとともに残る。