方舟を燃やす
新潮社・約 420 ページ
縁もゆかりもない男女二人が、昭和から平成、コロナ禍までを別々に生きていく長篇。
噂やデマに揺れる時代を通して、何かを信じずにいられない心のありようが静かに迫ってくる。
ニュースを見るのに疲れた夜に。
この本について
飛馬と不三子という、互いに関わりのなかった二人の歩みが、昭和から平成、そしてコロナ禍まで描かれる。外れた予言や消えた噂の一方で、災害や疫病、戦争は現実に続いていく。何かにすがらなければ一日を越せない人々の姿から、信じるとはどういうことかが問われる。読み終えると、自分の拠りどころを考えずにはいられない。