あかね空
文春文庫・約 360 ページ
京から江戸へ下った豆腐職人が、妻や周りの人に支えられて店を構える、親子二代の話。
味の違いに悩む職人の姿と、家族に生じていく歪みが、人情の温かさと共に描かれる。
家族の顔をふと思い出した夜に。
この本について
上方の味を携えて単身江戸へ出た豆腐職人の永吉は、土地の舌との違いに悩みながら、恋女房のおふみや周囲の人びとに助けられて表通りに店を出す。だが両親の死を境に、おふみと夫や子らとのあいだに少しずつ歪みが生まれていく。物語は豆腐屋一家の二代にわたって続く。家族の絆とは何かという問いが、静かに残る。