ある男
文春文庫・約 370 ページ
事故で亡くなった夫は、名乗っていた名前とはまったくの別人だった。弁護士がその男の正体を追う。
人は過去を捨てて生き直せるのか、という問いが、静かな謎解きとともに深まっていく。
自分の過去をふり返る夜に。
この本について
宮崎で暮らす里枝の夫「大祐」は、林業の事故で亡くなった。ところが法要に来た兄は、遺影を見て、これは弟ではないと言う。依頼を受けた弁護士の城戸は、別人として生きた男の過去をたどるうちに、自らの出自や家族とも向き合うことになる。人が名前や過去を捨てて生き直すことの重さを、静かに問いかける。