けんぐゎい
光文社・約 310 ページ
父を亡くした江戸の姉妹が、別々の奉公に出される。理不尽な目に遭った姉は、ある女医者と出会う。
重い出来事から目をそらさず、自分の生き方をつかみ取っていく女性を描く時代小説。
静かに腰を据えて読む夜に。
この本について
江戸の本所で、幼くして父を亡くした姉妹の姉ふゆは、疱瘡の痕が顔に残り、嫁ぐことも子を持つこともはじめからあきらめている。手習い所で読み書き算盤を覚え、教える側にまわった彼女に、やがて理不尽な出来事が降りかかる。題の「けんぐゎい」は圏外のこと。世間の輪の外に置かれた女たちが自分の足で立とうとする姿を、落語や講談を思わせる語り口で描く。