巨鯨の海
光文社文庫・約 430 ページ
紀伊半島の漁村で、男たちが組を作り、命がけで鯨に挑んでいく全六編。
掟と絆で結ばれた共同体の熱と、鯨への畏れが荒々しい筆で迫ってくる。
波の音が恋しくなる夜に。
この本について
江戸時代、紀伊半島の太地には、集団で鯨を追う「組織捕鯨」を築いた人々がいた。鍛えた技を携えた鯨組は、仲間との強い絆と厳しい掟によって栄え、鯨に畏れを抱きつつ命を削って立ち向かう。江戸の末から明治へ、その共同体が燃え上がり、やがて終わりへ向かう季節を六つの物語でたどる。自然と人のぶつかり合いの熱が残る。