流浪の月
創元文芸文庫・約 360 ページ
誘拐事件の「被害女児」と「加害者」とされた二人が、15 年後に再会する。
世間がつけた名前では言い表せない関係を、二人の目線で丁寧に描いていく。
一人で静かに考えたい夜に。
この本について
伯母の家に居場所のなかった 9 歳の更紗は、雨の公園で声をかけてきた大学生・文の部屋で、二か月を過ごす。それは世間から「誘拐事件」と呼ばれ、文は加害者に、更紗は被害者になった。15 年後、二人は思いがけず再会する。善意の言葉や同情が、どれほど人を縛りうるのかが、静かに浮かび上がる。